去る10月23日より1週間、東京都新島の新島ガラスアートセンターにてワークショップが開催されました。
今回の特集は、このワークショップの紹介をさせて頂きます。
この新島でのワークショップ、「インターナショナル グラス フェスティバル」は、毎年開催され今年が18回目となります。
今まで主に海外より著名なガラス作家を招いたワークショップとして国内だけでなく、海外からも注目をされ続けています。


■reporter:三垣 祥太郎(G+C ART GLASS ARTIST)

1953年ムラノ生まれ。ガラス職人の家庭で育った。
幼い頃からムラノのガラス工房で働く。1978年に、母のスタジオでビーズを生産。
1987年に独立して工房を構える。ムラノの伝統の技法と斬新なデザインで
作品を発表。
世界中のデザイナーとアーティストとの共同制作など幅広く活動をしている。

1. まず、今回行われた会場の新島グラスアートセンターはどのような所なんですか?

三 垣 :

ガラス工芸に関わる様々な設備を完備しており、工房では新島特産のコーガ石を主原料にした”新島ガラス”を溶解しています。
また、活動としては、ガラス作家の育成に力を入れ、毎年開催される、このワークショップは国際交流や様々なコラボレーションの場でもあります。

2. ダヴィデ サルバドーレ氏についてどのような方ですか?

ダヴィデ氏はイタリア的な明るい人、しかし制作に入ると真剣で近寄りがたいオーラを感じるほどですが、制作中でも注意点や説明を丁寧に指導してくれました。 
また、作品づくりには、イメージ、目的意識をしっかりと持っていて、ムラノの建物、景観などもインスピレーションを与えてくれると話していました。
言うまでもないが、さすがムラノのマエストロで腕は一流! 寛容な人柄の職人という印象でした。

3. 実際にどのような事をしたのですか?

ダヴィデの作品はムラノの伝統的な技法で主にムリーニ(*1)を使いロールアップ技法(*2)、インカルモ技法(*3)などを用いて制作します。

様々な道具を使い成型し、作品が冷めた後は細かいカットを入れて仕上げます。

(*1)

(*2)

初日は基本的なフィリグラーナ(*4)から始まり、ダヴィデ氏は「全てはここから始まります。」と言っておりました。 レース棒を捻りながら伸しているところです。

(*4)

それからは、フィリグラーナをロールアップし吹き上げていきました。

後半はムリーニの制作から、このムリーニを使った作品の制作をしました。

(*1)

(*3)

4. 他のCLASSはどのようでしたか?

ランプワークのクラスはロジャー・パラモア氏がホウケイ酸ガラスを使い薄くて軽い大型のゴブレットなどを制作する。なかなか見ることがない貴重なデモンストレ−ションでした。

4. 今回、学んだことは?

ムラノのマエストロにガラスを教わる非常に貴重な体験の中で、とてもレベルが高く、無駄の無い作業を見ることができました。
ダヴィデ氏は「一番大切なことは、素材のガラスに負担をかけないように心がけること、また、造りたい形はガラスが教えてくれる。」と言っていたことが印象に残りました。

ダヴィデ・サルバドーレ ありがとう!!


(*1)ムリーニ・・・モザイク片。金太郎飴のように作られたガラス棒をスライスしたもの。
           豪華な器を作る材料を意味する言葉に由来する。

(*2)ロールアップ技法・・・ムリーニなどを並べて窯の中で温め板状にしたのち、吹き竿の先端に巻き上げる技法。

(*3)インカルモ技法・・・二つ、またはそれ以上のガラス球がお互いに接してハッキリとした境目を作る事。
              球はそれぞれ形作られ全く同じ直径に開けられた口縁部で溶着させる技法。

(*4)フィリグラーナ・・・色付きのガラスの芯に透明なガラスをコーティングしたレース状の模様などに伸した棒。

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