対談 新村竜也 (CRAFT HOUSE館長/ガラス工芸家) VS 寺本和明(CRAFT HOUSE副館長/陶芸家) インタビュー 早川真理

早川・・・いきなりですが、ガラスの魅力は?

新村・・・すごい!! いきなりですね。一言ではなかなか語れませんが、素材自体が美しいですね。これが一番の魅力。また、吹きガラスは作業がスポーツみたいに楽しい。1200℃で溶解されたガラスはまるで生き物のように動いてくる。それを二人から三人のチームでガラス操り形にする、それはまるでバンドでライブをする感じですね。

早川・・・そうですね。新村さんが作業をしているのを拝見しましたがカッコイイですよね。先日のTVチャンピオンでもツェッぺリンをガンガンかけて制作していたそうですね。

新村・・・いや、あれは・・・

寺本・・・陶芸の作業はとても地味ですね。吹きガラスとは逆に心を落ち着かせ、無心になって作ります。僕は土を触っている時、心が落ち着き癒されます。

早川・・・それは寺本さんの人柄や作品にとてもよく現れていますね。では、陶芸の魅力とは?

寺本・・・これも一言では語れませんが、土の魅力は「味わい」や「温もり」ではないでしょうか。また、陶器は扱いやすく、ガラスとは比較にならないほどテーブルウェアーとしてのアイテム数があると思います。

早川・・・そうですね、陶器のアイテムはとても多いと思います。インテリアショップや器屋さんでも夏以外のシーズンでは圧倒的に陶器が多いですね。また、ガラス工芸家は年々増えていますが、陶芸家に比べれば非常に少ないのが現状ですね。

新村・・・ガラス工芸家として工房を作るのは陶芸家より難しいのです。ガラスを溶解する溶解炉は火を落とすことができず、1000℃〜1400℃を保持しなくてはいけません。すなわちランニングコストがかかるという事です。しかし最近は灯油炉を入れてローコストな工房も増えています。

寺本・・・陶芸でも灯油炉は焼成する燃料代は安いし、毎日焚くことはないでしょうからね。

早川・・・原料はどうなんですか?

寺本・・・土ですからね〜。色々です。僕は基本的に出身地の常滑の土を使っているのですが、普通の値段ですね。市場に出ている原料でそんなに高価な物は無いでしょうが、特殊な土もあるところにはあるそうです。伊豆の方に日本全国の色々な土の研究をしている吉村さんという方がいますが、そこの資料館は興味深いです。

新村・・・ガラスは工芸用の原料としてはクリスタルとソーダがあるのですが、クリスタルは環境的な問題で需要が減っています。私もアメリカの原料のソーダを使っているのですがとても綺麗です。

早川・・・次に技法ですが、違う素材なので技法もまったく違いますよね。  

新村・・・そうなんですが、例えば新島の「野田 収」氏はガラスで手練りの作品を作っていますし、また、ムリーニ(花の模様など、金太郎飴状のガラスパーツ)とかは陶芸でも練り込みできますよね。  

寺本・・・そうですね、練り込みなどもとんぼ玉みたいに細かい模様を入れる作家もいます。しかし難しいのは様々な土などを入れて作ると収縮率が異なり割れてしまうことがあるのでデータが必要ですね。

新村・・・それはガラスも同じく膨張を合わせます。

寺本・・・土とガラスを融合できませんかね〜。

新村・・・ガラスのカップで脚が瀬戸物の冷酒グラスは見た事ない? あれは陶芸用の上絵の具を改良して溶着材にしたみたい。また、パラダイスペイントというガラス工芸用の高温エナメルも同じく陶芸用の上絵の具を改良したと聞きました。

寺本・・・なるほど、いろいろと応用ができそうですね。

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